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仕事のゴールを見つめて

第15回産業論文コンクール 優秀賞
株式株式会社呉竹  下楠薗萌花子 氏

 

 『 仕事のゴールを見つめて 』

 

 大学を卒業し、社会人になり早くも5か月が経とうとしています。覚えなければならないこと、やらなければならないことに追われ、一日が終わるスピードが早くなったように感じます。
 私は幼い頃から、手作りのアルバムを友達にプレゼントしたり、家族や友達の誕生日に手紙を書くなど、心を込めて作ったもので人を喜ばせることがとても好きです。しかし、今、世の中は急速にデジタル化が進行しており、スピード化、便利さが優先される時代へと変化し、人の手で文字を書くということが極端に少なくなっています。そのような時代に化しているからこそ私は、文房具メーカーの企画部で、人が使ってみたいと思える商品を考案したい、そして、手書きの温かさと、手作りの良さを多くの人に知ってもらうきっかけを作りたいと強く思い、弊社への入社を決めました。
 しかし、入社二か月後に行われた部署配属で、私が配属された部署は総務部、総務経理チームでした。
 配属されてからの一ヶ月、外向きの仕事ばかりを思い浮かべていたため、内側から会社を支える仕事に対してどのようなモチベーションで取り組めばいいのかがわからず、悶々とした日々を過ごしていました。会社のために、働く社員のために、正確にお金の管理をすることや、速やかな備品の発注などを通して、社員が仕事をしやすい環境を作ることに対して、仕事をしているというより、作業をしていると考えていました。そんな時、私は先輩と仕事のことについて話をする機会があり、次のようなアドバイスを受けました。
 「まず、今あなたがやっていることは作業ではなく、仕事であること。作業とは、何も考えず、言われたことをこなすことで、仕事とは目的を理解して手段を考えて行動することである。今、自分の目の前にある仕事だけを考えていてもわからないかもしれないが、視野を広くし自分のこなした仕事の先を考えてみたら何かが変わるかもしれない。」
 この言葉を受け、私は総務の仕事について考え直しました。
 現在私のメイン業務は、経理業務の中の買掛です。仕入れ先の支払日に合わせて、各部署が請求書をまとめたものを、一店舗ずつミスがないかを確認し、振込作業を行います。企業間のやり取りであるため、金額は日常生活ではめったに扱うことのないような大金であり、送金作業を行う際はいつも緊張が走るくらいです。先輩からの言葉を受け、私のこの仕事の前後に、多くの人がかかわっていることに気づきました。私に仕事が回ってくる前に、生産部が様々な仕入れ先とのやり取りを交わし、商品を生産するための部品を購入しています。また、企画部や技術部も同様に、新しい商品を開発するために、多くの企業とのやり取りを交わし、サンプルなどを取り寄せています。このように多くの人の努力の後に、私にお金を支払うという大きな仕事が任されています。そして私の、支払いを正確に行うという仕事の後に、それぞれの部署が購入したものを用いて、お客様のもとに届く商品を生産し、お客様が喜ぶ新しい商品が開発されています。さらに、それらの商品をもって、営業部が世の中に商品を広め、届けています。私はずっと、外向けの仕事に憧れていました。しかし、私が現在担当している内側から各部署を支えることも、世の中に影響を与える商品作りに携わっているのだと気づくことができました。その為、配属が決まった当初とは異なり、高いモチベーションをもって、現在は仕事に臨めるようになりました。
 仕事に少しずつ慣れてきた今、これまでざっくりとしか考えていなかった仕事のゴールを、より明確にしていきたいと考えています。例えば、送金についてです。部品購入に使用する資金ととらえていたものを、摘要を見て何に、どのように、どのくらい使われていくのかを理解することや、得意先に支払いをする際は、どのようなやり取りがあり、関係性はどのようなものなのかを把握していくことです。これらのことを理解することで、仕入れ先や得意先と各部署を繋ぐ役目として、これまで以上に各部署のサポートを厚く、円滑にできるようになると考えます。
 仕事を行うにあたり、目の前のことばかりを見つめてしまいやすいですが、一歩下がって全体を見渡すことで、自分がやるべきことが明確になり、また、自分がした仕事が世の中にどのような影響を与えているのかを知ることができます。仕事をするのに、意義を感じることができないと、モチベーションは下がる一方で、達成感はもちろん味わえません。しかし、自分の仕事の意義が少しでもわかると、モチベーションは上がり、達成感を味わうことができると実感しています。
 総務として、会社全体を見ながら各部署を内側から支えることを第一の目標に、これからも努力をしていきたいです。そして、今後もし人事異動で他部署に配属されたとしても、経理の仕事を通して学んだ知識や経験を生かしていくというような気持ちで、臨んでいきたいです。

 

 

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