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なりたい姿になるために

第16回産業論文コンクール 努力賞

 株式会社呉竹  高橋侑佳 氏

 

 なりたい姿になるために

「逆境であるからこそ、人は成長できる。」

 入社直後、そう上司に言われたことを思い出す。今世界中で問題になっている流行り病は自身にも大きな影響を及ぼした。私は新卒で弊社、アート&クラフトで文化に貢献する呉竹の一員として入社したばかりの新入社員だ。4月の入社式が無くなり、入社してすぐに在宅勤務に。会社に通うこともできず、上司の顔も同期の人となりも、何も知ることができない所から新生活のスタートを切った。
 弊社の国際部に配属されることが決まっており、モチベーションや上手くやっていけるのかという不安、様々な感情が宙に投げ出されたような心地がして、当初は途方に暮れていた。ようやく通勤できるようになった頃、上司と面談をする機会をいただいた。その時かけていただいた言葉が「逆境であるからこそ、人は成長できる。」だった。視界が開けたような心地がした。会社に通うこともできず、仕事仲間と話し合う事も出来ず、働くとは何だろう、社会の役に立つとは何だろう、自分は誰かの役に立てているのか、そんな後ろ向きな事ばかり考えていた私にとって、とても前を向ける言葉だったのだ。それからは意識を切り替えた。
 入社して早5カ月がたったが、業務の難しさや仕事としてコミュニケーションをとる難しさ、様々なことに躓いてばかりいる。それでも前を向いて自分を見つめていると、自分が何をしたいのか、どこが足りていないのかが、少しずつではあるが見えてきた。まず、文具メーカーの国際部で主に業務を担当している身としてのなりたい姿。それは、「お客様と会社の間に立ち、円滑に事を進めて両者にとって動きやすい環境をつくること」だ。
 外国のお客様と会社の間に立ち、お客様のオーダーを社内に伝達したり、通関に必要な書類を作成したり等、2者の間に入る仕事をメインにさせて頂いている。その中で特に重要だと感じているのが、なりたい姿として挙げた円滑に事を進め動きやすい環境を作ることだ。
 お客様と私の間でやり取りが詰まってしまえば、社内の計画等の動きに悪い影響を与えてしまう。逆に社内への伝達の仕方が悪ければ、お客様をそれだけ待たせることになってしまう。私の仕事がそのまま信用や今後の取引にもつながってしまう、とても重要なポジションなのではないのかと、少し通勤にもなれてきたこの頃強く感じるようになった。

 次に、これを達成するために必要な目標を考える。私が考える目標は、大きく2つだ。 一つ目は「とにかく簡潔に、そして順序立てて話を相手に伝えられるようになること」だ。正直私はここが弱い。結論から順々に、長くならないように説明しようとはするのだが、脳内で文章を構築する際に、どうにも話の順序がごちゃ混ぜになってしまったり、メールの文面が詰まって読みづらくなってしまったりすることが多々あった。この欠点を解消するために意識していることが、一度言葉に出す前に伝えることを箇条書きに起こす、ということだ。箇条書きに起こすことで、どの案件の優先順位が高いのか、どの順番に話せば伝わりやすいかがより明確になる。またメールで伝達する時も、箇条書きにすることで視覚的にも見やすくなる。これは上司にもアドバイスをいただいたことなのだが、実践するとお客様から返事が以前より早く返ってくるようになり、また質問漏れで二度手間になってしまうこともかなり減った。
 素早いレスポンスが効率の良い仕事につながるのならそのレスポンスのためにも自分にも相手にもわかりやすい伝え方をすることが大切なのだと身をもって学んだ。

 二つ目の目標は「相手の立場に立って考えること」だ。片方の視点にばかり立っていればもう片方に無理なことを言ってしまう。特に私はそれぞれの部署がどのような仕事をしているのかをまだまだ知らない。どれが大変で時間がかかるのか、どういう手順や事情があるのか等、背景を考えずに仕事をお願いしてしまうと、それだけ仕事もコミュニケーションも滞ってしまうように感じる。実際に、生産部の方へ事情の把握をできていないまま無理な納期でオーダーを出してしまい、ご迷惑をかけてしまったことがあった。自分の仕事もまだまだ覚えきれていない身だが、お客様と会社の間に立つ業務を手掛けているからこそ、もっと相手の事情や背景を知らなければいけないと考えている。

 最後に、私はとても周りに恵まれていると思う。先輩方はとても丁寧にお忙しい中仕事を教えてくださるし、最近やり取りをよくするようになった同期もとてもいい人たちばかりだ。これだけ恵まれた環境にいるのだから、一日でも早く仕事を覚えて、お客様に、そしてその環境をくださっている会社の方々にも貢献したいと思う。まずは社会人2年目になるまでに自分で立てたこの2つの目標を達成し、なりたい姿に近づけるよう、日々精進していきたい。

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