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見えてきた自分の課題

第16回産業論文コンクール 優良賞
住江織物株式会社 奈良事業所  清水幸子 氏

 

見えてきた自分の課題

 「予想外の工場配属で戸惑っていると思いますが…」「大変だね」などが、配属先が決定した際、私に多くかけられた言葉であった。集合研修が終わり奈良工場に配属されて約2か月が経った今、私は配属先が工場でよかったと感じている。なぜなら、自社製品の加工工程に直接的に携わることができるのはもちろん、製品に必要とされる物性や、現状解決しなければいけない課題に対して、実際に手を動かして取り組む機会があるからだ。工場はものづくりに一番近い場所であり学ぶことが多いと言われるが、まさにその通りだと実感する日々である。私が学生時代に取り組んだ研究は、立ち上げの基礎研究だったため、ものづくりとは関わりがなかった。それもあって製品がどのような過程を経てつくられるのかを目で見ることは貴重だと感じる。その一方で、知識や力不足を感じる場面も多い。今回はこれまでの研修を通じて感じた、今後自分が身につけていきたいことに関して二点述べたい。

 まず一つ目は、利益を生み出すためのニーズを捉えた(見据えた)ものづくりの視点である。配属後すぐの会議にて上司が、ニッチでもいいから一位を狙うといった内容のお話をされていたのが印象に残っている。そのことについて自分なりに考えてみた。現時点で多くの企業が参入している分野では、価格帯が決まっていることや、支持されている商品が既にあることが予想され、後から参入して地位を確立することは難しくなるだろう。一方で競合他社がさほど多くないニッチな分野に進出し、ナンバーワンを取ることができれば、価格の決定力や顧客を獲得することができ、それは会社にとって大きな利益となり、成長につながると予想できる。この、ニッチな分野でのナンバーワンになる戦略を実現していくために私ができることは、自社の分野はもちろんだが、ほかにも様々な分野の情報を収集することだと考えた。幅広い商品の分析を行うことで、広い視点を養うことができ、根本にあるニーズを発見できる可能性が広がる。そしてそれらを応用するアイデアを生み出す力や今後のトレンドを掴む力を養うことができるかもしれない。また、アイデアは机に向かって考える時間よりも会話の中や生活の中で浮かぶことが多いと経験的に感じるため、情報収集は常に頭の片隅に置き、いろんな分野の人と関わりをもちながら生活することも重要になってくるだろうと思う。今はまだ、新規商材で新たな分野に挑戦する業務は私にはない。しかし上記に示した事柄を実行し続けることは、ものの見方を鍛えることでもある。その都度的確な情報収集を行うことは、業務の効率化にもつながると考え、日常的に取り組んでいこうと思う。

 二つ目は、まめに、また積極的に行動できる力である。学生時代、研究で失敗するようなことがあってもその時は自分が困るだけで、周りに影響を与えることは多くなかった。しかし現在はそうではない。企業の一員となって、お金をいただいて仕事をする立場であり、多くの人が時間と労力を割いて育てていただいている立場でもある。多くの人と関わり、利益を生み出すことを目標とした現在では、自分がミスをすると会社の損失になりかねない。それゆえ、失敗してはいけないとチャレンジに対して消極的になることがある。また、知識が足りておらず議論についていけないことが毎日のようにある。追いつくため、学びのために質問したいが、何がわからないかがわからず質問できない。というような負のスパイラルに陥ることも多々あるが、これらは間違いである。むしろそこで行動できないことが、長い目で見た時に損害になってしまうかもしれないと考えたからだ。まだ戦力になっていない現時点では、失敗を恐れずチャレンジできる積極的な行動力、わからないときにはわからないと言える素直さを持ちたいと思う。そしてもし失敗した場合は、同じことを繰り返さず、失敗を活かすことができるようにメモはこまめにとる、質問して教えていただいた答えを自分なりにかみ砕いて解釈するといった、行動した結果を身につけるための基本の徹底を重点的に行っていきたい。

 学生時代は、ある程度時間の余裕がある中で商業に発展する可能性の低い分野での研究を行ってきた。それもあって、コストや利益については意識したことがなかった。しかし企業の一員となった今、それらはトップクラスの重要事項となり、自分の手で損害を与えてしまう可能性があることはプレッシャーに感じる。社会人になって以来、自分の不甲斐なさを感じる日々であるが、こうして文章にしたことで、現時点での自分の課題を明確にすることができた。上記に示した身につけたいことに対して、有言実行を心がけ日々の業務に取り組みたい。また、配属先である工場の特権を活かし、ものづくりに直接携わることができる業務を通して、現場だからこそ学べることをどんどん吸収したい。そして将来的には、会社の利益や社会に貢献できるような仕事を成し遂げたい。

 

 

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