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私の課題

 第17回産業論文コンクール 優秀賞

 株式会社ヒラノテクシード  鈴木 萌 氏

 『私の課題』

 

 今年で入社2年目を迎えた。上司や先輩からの指導を通じて、1年前よりも業務への理解を深めることが出来たと感じている。しかし、その一方で、自らの未熟さや力不足を実感する場面も多い。私が特に自らの力不足を実感するのはコミュニケーションをとる場面や、複数の作業を同時並行でこなさなければならないときだ。そこで、今回、これら2つの課題の原因を分析し、どのように克服すべきか考えた。そのうえで、考えた克服案を約1か月の間実行し、自らの課題克服に取り組んだ。

 本論文では、その過程をまとめていきたい。まず、これら2つの課題それぞれについて、自らの課題の原因がどこにあるのか分析する。そのうえで、どうすれば課題を克服できるかについての考えをまとめていきたい。そして、最後に、自ら考えた克服案を実行した感想をまとめていきたいと思う。

 

課題1:コミュニケーション

 これまで報告や相談する際、相手に伝えたいことが伝わらなかったり、結局何を伝えたかったのか分かりづらくなってしまうことが多々あり、自らのコミュニケーションの取り方をどのように改善すべきか悩んできた。こうした状況について先輩に相談したところ、「コミュニケーションを通して、相手に理解してもらったり、行動してもらいたいのならば、相手の立場に立って話をすべきだ」と助言を受けた。

 この助言を受け気づかされたのは、これまでの自分のコミュニケーションには「相手の立場に立つ」という視点が欠けていたことだ。自分が言いたいことばかりを優先し、相手の聞きたいことや知りたいことをが何なのかということを考慮していなかったのである。

 これを受け、相手の立場に立って話をするために、具体的にどういった点を考慮すべきなのか考えてみた。相手の立場に立ち話すために私が必要だと考える視点は以下の4点だ。①自分の説明を通して相手に何を理解し、どういった行動を起こして欲しいのか、②相手に理解・行動してもらうためにどのような事柄を伝えるべきなのか、③分かりやすく伝えるためにどのような情報を収集すべきなのか、④分かりやすく伝えるためにどのような順序で話すべきか。

 こうした点に注意してコミュニケーションをとるようになったところ、以前よりも相手に伝わるようになったのではないかと感じている。伝えた後の相手の言動を見ていると、自分の伝えたかったことが伝わっているという実感が得られるようになったのだ。今後は、自分のコミュニケーションをフィードバックし、どのような伝え方をしたときに、反応が良かったか、悪かったのか等を分析することで、相手の立場に立ち話をする力を身に付けていきたいと思う。

 

課題2:複数の作業の同時並行処理

 これまで、急ぎの仕事を片付けなければならないのに、別の仕事を指示されたり、トラブル対応をしなければならなくなったりというようなとき、混乱状態に陥いることが多々あった。そのほか、処理すべき仕事が次々に降ってくると、処理漏れが生じたり、期限を勘違いしたりといったミスを起こすこともあった。

 後になって考えてみれば、どの仕事も複雑なものではなく、また、1つ1つ処理していけば、きちんとこなせる仕事内容なのにもかかわらず、いろいろな仕事が重なってしまうとパニックになってしまうのだ。

 こうした状況について考えたところ、自分には、複数の作業を同時並行、短時間で切り替えながら同時進行で処理する力、すなわち、マルチタスク能力が欠けていることに気が付いた。そこで、こうした状況を解決するために、周囲の先輩方がどのように日々仕事を管理しているのか観察し、どうすれば複数の業務を同時並行でこなすことができるか考えてみた。

 マルチタスクをこなすために私が必要だと考えたのは以下の4点である。①1つ1つの作業を可視化・整理したうえで、1つ1つの作業の優先順位、所要時間を把握すること、②①をもとに、ゆとりをもったスケジュールを作成すること、③1つの仕事をこなしている間は、他の仕事について考えない、④やるべき仕事が増え、混乱しそうなときは、時間をとり、仕事の整理を行い焦る気持ちを落ち着かせること。

 これら4点を日々意識して仕事に取り組むようになったところ、パニックになる頻度が減少したほか、混乱する度合いも小さくなった。これまでであれば、焦ってしまう状況でも、冷静になり、仕事をこなせる場面が増えたと感じている。とはいえ、気が緩んでこれらの注意点が意識から抜けたり、突発的な仕事やトラブルが重なったりすると、気持ちばかりが先走り、焦りが募って作業効率が低下してしまう。今後もこれら4点を意識して仕事をこなすほか、マルチタスクをこなすのが苦手という自らの課題を克服するための策をこれからも考えていきたいと思う。

 

今回、産業論文をきっかけに、自らの課題について考えたことで、多くの気づきを得ることができた。今後も自らの課題について考え、その克服に取り組んでいきたいと思う。

 

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