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働く上で大切にすること~半年間を振り返って~

18回産業論文コンクール     優秀賞
    株式会社精和工業所  野白翔也 氏
    
        『 働く上で大切にすること~半年間を振り返って~ 』

 

 私は今年から新社会人として新たなスタートを切りました。新しい生活、新しい業務、新しい人間関係、自分の周りの環境が大きく変化しました。しかし、変化したのは環境ばかりではありません。自分自身の考え方にも変化を感じています。

私は新卒として精和工業所に入社し、経理を担当させて頂いています。経理職は学生時代に取得した簿記の知識や経営や経済・会計について学んできたことを活かすことのできる仕事です。また、会社のお金を扱うという責任ある仕事を自分のような新入社員にでも責任のある仕事を任せて頂けて、毎日やりがいを感じながら仕事をさせてもらっています。半年間、仕事をさせて頂いて新たに気付いたことが大きく二つありました。

 一つ目は「気遣い・気配りの大切さ」です。今年の四月から働かせていただいますが、学生時代にはパソコンが得意で様々な資料を作れる人やたくさんの資格を持っている人は会社で、も活躍するのだろうと考えていました。実際に「仕事」ではパソコンで資料を作ることや上司に説明をすることもあります。しかし、働き出してみるとパソコンが得意な人や資格をたくさん持っている人が必ずしも活躍している訳ではないことに気づきました。それよりも様々な点で気遣い・気配りのできる人が周りの人から信頼され、慕われているように感じています。何か物事をするにしても、「この仕事の目的は何か」・「自分の後にはどの部署の人が、どのような業務をされるのか」・「この仕事を進めていくのであれば、あの部署の人にも声をかけておくと、仕事が円滑にできるのではないか」等、自分の後工程や他部署の事・目的や効率等、先を見据えて周りに気を配る事が仕事をする上では大切であると感じています。

 学生であれば、「期日までに宿題を終わらせる」・「学んだことを頭に入れてテストで良い点数が取れるように頑張る」というように、目の前の事にだけ意識を向けていれば、特に問題はありませんでした。学業はどちらかと言えば個人戦であるのに対して、仕事は団体戦であると思います。同じ部署の人や異なる部署でも仕事をする上で関わる人、仕入先や得意先など様々な人が密に連携を取り合いながら仕事をするからこそ、成り立っているものだと改めて感じています。

 気遣い・気配りの代表例が、社会人としての基本と言われている「報告・連絡・相談」であると思います。自分自身が全く気を使っていなければ、報連相が必要である理由もわからないはずです。私自身も失敗や頼まれた事をした時、すぐに報告しておらず、後から上司に聞かれて報告することが何度かありました。上司に聞かれてからの報告は「報告」と言わないのかもしれません。自分一人で仕事をしていれば、失敗した事も自分だけが知っていれば良いのかもしれません。しかし、複数人で仕事をするという事は、社員同士の情報共有が重要であり、良いことも悪いことも上司や一緒に働く人に報連相をすることが、周りの人への配慮であると気づきました。そして、相手への気遣いをするという心がけは、自分自身が会社にとって有益な価値を生み出す基でもあると考えています。

 二つ目は「感謝創造への意識」です。「感謝創造」は精和工業所の社是です。入社して働き出すまでは、良い言葉だと思うだけで、言葉の意味まで理解できていませんでしたが、いざ働き出してみると「感謝創造は仕事の時だけではなく、普段の生活の中でも大切にするべき考え方かもしれない」と思うようになりました。

 仕事をする上では、自分を雇ってくれている会社に対して感謝の気持ちを持たなければならないと思います。会社で働くことができて、毎月安定して給料をもらうことができるからこそ、不安を感じずに働くことができます。もしも、「会社の財政状況が悪いから」と給料が安定してもらえなければ、働くことに対するモチベーションの低下や不安を感じながら仕事をしていかなければなりません。また、自分がお金を支払ってもらえるような仕事=創造をするからこそ、お金という対価が入ってくるのだと思います。

 普段、生活をする上では、スーパーマーケットで品物を売る人、見えないところで働いてくれている多くの方々に感謝しなければならないと思います。普段は当たり前になっていてなかなか感謝できませんが、今回の論文を書きながら、直接的な関わりがなかったとしても「自分の知らない誰かのおかげで生きている」と思い、感謝すべきことだと改めて感じました。また消費者という立場では、お金を支払う=創造であると思います。

 そして、今まで育ててくれた両親。自分が産まれた時から働けるようになるまで、苦労して働きながら養ってくれたことに関しては、感謝してもしきれないと感じます。しかし、この感覚は社会に出て、「働く」という事の大変さや難しさ、慎重さ、責任の重さ等、仕事を通して様々なことを知ったからこそ、得られたものだと思います。子供の立場として両親に対してできる創造は、恩返しであると思います。

 仕事をする際に、どのような気持ちでするのかは人それぞれの自由です。自由だからこそ、何か目標や大切にする考え方が必要であり、これから先、長い社会人生活を送る中で、自分を見失わない事にも繋がっていると思います。私は今回の論文を通して、目標や大切にする考え方を見つけることができたように思います。これからは日々の実生活の中で、今回気付く事ができた『気遣い・気配りの大切さ』、『感謝創造への意識』を意識し続け、行動に繋げることで自分の身につけていきたいと思います。

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